奨学生の近況報告

在籍奨学生の近況報告から(18年12月)

自己完結の責任

平成28(2016)年度奨学生

岩手医科大学 医学部3年

Sさん(救命救急医 志望)


 救急医療に携わる医師になろうという目標を持ち、医学部に入りました。今は、非常食や災害訓練について、試行錯誤を重ねています。なぜなら、最近の北海道胆振東部地震や平成30年7月豪雨など、大きな災害が様々な地域で起こっている中で、自分が被災者になることも、支援者になることもあり得ると思い、また、自分が支援者となった際には、周りの人に迷惑をかけないよう、ご飯や生活用品などは自己完結した状態で現場に入ることが望ましいからです。
 そこで、今から非常食を実食したり、災害訓練に参加することで改善点をみつけ、実際の災害発生時には、何をすべきかわかっている状態で災害医療に携わりたいです。
 覚えることが山のようにあり、心が折れそうになることもありますが、三浦財団様を始め、家族や友人に支えられていると思うと、身体の底からやる気が湧いてきます。
 これからも、様々なことに挑戦し、自分を高めていきたいと思います


大学時代をどのように過ごすか

平成29(2017)年度奨学生

東京大学 文科三類

Mさん(青森県庁職員 志望)


 私が感銘を受けた本に『LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略』がある。
本書は「多くの人は学校での教育期間を終えたら1つの仕事に就き、その仕事を引退まで続け老後の生活に移行するという「教育→仕事→引退」の3ステージ型の人生を歩んできた。しかし技術の発展に伴う生活の変化や医学の発展により、平均寿命は100を超えていくようになると、この3ステージ型の人生設計は通用しなくなる。ではどのような人生設計をすれば良いのか?」を伝えるために書かれた本である。
 現実的には平均寿命が延びることで、長い引退生活により多額の貯蓄を強いられる。必然的に引退年齢が遅くなり仕事に従事する期間が長くなる訳だ。
 世界は進化し続けている。その進化は技術や医学を初めとした様々な分野で起きている。必要とされるスキルや仕事も進化していく筈だ。このような状況において、1つの仕事に就き続けることは果たして正解なのだろうか。
 ではどうすれば良いか?「世界の進化にアンテナを張り、必要とされているスキルを見極め身につける時期を設ける」ことだ。様々な仕事を経験することで「自分は必要とされている」という「無形資産」を失うことなく生きていけると思う。
 この生き方は「教育→仕事→仕事→仕事→引退」といった5ステージ型の人生になる。ただ、行政や多くの企業が3ステージ型の人生に対応したシステムを運用している以上、このような5ステージ型の生き方をすることは難しく、人々に浸透して行くのも時間を要する。しかしこのような未来が来ることを想定し、それを踏まえて今後の自分の人生設計を考えてみても良いのではないだろうか。


今、成すべきこと

平成29(2017)年度奨学生

東北大学 文学部 人文社会学科2年

Kさん(心理学者 志望)


 私が力を入れて取り組んでいることは外国語学習と心理学の勉強です。
 外国語は、何か明確な目的のために学んでいるというよりも、むしろ学ぶことで自分の見聞が深まったり、新しい出会いがあったりするのではという期待が学習のモチベーションとなっています。
 心理学は、2年生として基礎を学んでいる最中なので、基礎的な知識を増やすとともに実験方法や分析方法に関する学習も行っています。将来は、人の行動を研究する職業に就きたいと考えています。現在の学びはきっと将来の道標となるでしょう。
 私がこのように学習できるのは、貴財団の奨学金のおかげであることをいつも感じています。現在は、家庭教師と大学でのアルバイトを行なっていますが、お金を稼ぐというよりも自らの経験としての意味合いの方が強いです。
 今の生き方が良いかどうかは将来になってみないと分からないものです。それでも、今の自分にできることをすることが明日の自分のためになると信じています。これからも明日のため、そして今の自分のためにできることをし続けたいです。

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